和室が寒い原因と対策とは?畳の下から窓まで、冷気の正体を徹底解説

冬の朝、和室に足を踏み入れた瞬間に「ヒヤッ」と感じるあの冷たさ。
畳の上に座ると、足元からじんわりと冷えが伝わってくる。
障子の向こうからはスーッと冷たい風が入り、暖房をつけてもなかなか部屋が温まらない。
そんな「和室特有の寒さ」に悩む方は多いのではないでしょうか。
見た目は温かみがあるのに、実際に過ごすと底冷えする。その原因は、和室の構造と素材の性質にあります。
この記事では、「和室が寒い原因」を徹底的に解説し、今すぐできる簡単な対策から、根本的な断熱リフォームの考え方までを紹介します。
伝統的な住まいの良さを残しつつ、現代の暮らしに合わせた快適な和室づくりのヒントをお届けします。

目次

和室が寒いのはなぜ?構造的な理由を理解する

和室が寒く感じるのは、単に「古い家だから」ではありません。
畳・障子・襖といった自然素材を使った構造は、通気性には優れている反面、断熱性や気密性が低いという弱点があります。
さらに、日本家屋特有の「木の呼吸」や「湿度調整機能」を保つための造りが、冬場には冷気の通り道となってしまうのです。
ここでは、和室を寒くしている主な原因を、部位ごとに詳しく見ていきましょう。

床下からの冷気が原因:畳の下に断熱材がないケース

和室の寒さを最も強く感じるのが「足元の冷え」です。
畳は見た目こそ温かそうですが、実は断熱材が十分に入っていないことが多く、床下の冷気がそのまま伝わります。
特に築年数の経った家では、床下の通気口から外気が入り、床下の空間を冷やしています。
この冷気が畳の隙間や下地材を通して上がってくるため、こたつを置いても足元だけが冷たい、という現象が起こります。
また、畳そのものも経年劣化によって薄くなり、内部のい草がつぶれることで断熱性能が落ちます。
新しい畳は空気層を多く含んでいますが、10年以上経つとその層がつぶれ、熱を通しやすくなるのです。

補足:床下に断熱材を敷き込む、あるいは畳の下に発泡ボードやコルクマットを敷くだけでも体感温度が2〜3℃変わります。

窓・障子からの冷気:断熱性の低い開口部が冷気の通り道に

次に大きな原因となるのが、窓や障子からの冷気です。
和室には大きな掃き出し窓や引き違い窓が設けられていることが多く、ここからの熱損失は非常に大きいです。
単板ガラスの窓は外気温の影響を受けやすく、外が0℃近いとガラス面もほぼ同じ温度になります。
この冷えたガラス面に室内の暖かい空気が触れると、結露が発生し、さらに冷たさを感じやすくなるのです。
障子は光をやわらかく通しますが、紙一枚で外気を遮るのは難しく、微細な隙間からも冷たい空気が入ります。
特に、障子枠と窓枠の間に隙間があると、風が直接和室に流れ込むこともあります。

補足:障子の内側に断熱カーテンやアクリルパネルを取り付けるだけで、冷気の流入を大幅に減らすことが可能です。

家全体の断熱・気密性の低さ

和室だけでなく、家全体の断熱性能が不足している場合、暖房をつけても空気がすぐ逃げてしまいます。
日本の古い住宅は「夏の涼しさ」を重視して造られており、冬の寒さには不利な構造が多く見られます。
壁や天井に断熱材が入っていなかったり、入っていても経年で劣化していたりすると、外の冷気が壁を通して伝わります。
特に木造住宅では、柱や梁の接合部が劣化してわずかな隙間ができ、そこから空気が出入りします。
また、暖房を入れても天井付近だけ暖かく、畳近くが冷たいのは、断熱不足により冷気が床にたまる「コールドドラフト現象」が起きているためです。

補足:断熱リフォームや気密施工を行うことで、和室だけでなく家全体の温度差をなくし、快適さが大きく改善します。

コンセントやスイッチまわりの隙間も意外な冷気ルート

あまり意識されない部分ですが、壁にあるコンセントやスイッチの周囲も冷気の侵入口です。
これらの穴は壁の内部とつながっているため、壁内の冷えた空気がじわじわと室内に流れ込みます。
特に築20年以上経つ住宅では、気密パッキンが使われていないことが多く、外気の影響を受けやすい構造になっています。
スイッチまわりの冷気を感じたら、専用の気密カバーを取り付けるだけで改善できます。

建具の劣化による隙間風

障子や襖(ふすま)は木と紙でできているため、湿気や乾燥の影響を受けやすく、長年使うと反りや歪みが生じます。
そのわずかな歪みが、冷気の通り道になります。
また、襖の下部には「敷居」と呼ばれるレール部分がありますが、ここが削れて段差ができると、下からも空気が入り込みます。
和室の建具は美しい反面、メンテナンスを怠ると“気密の弱点”になるのです。

補足:建具の歪みを調整したり、隙間テープを貼るだけでも、風の入り込みを防げます。

和室の寒さを改善するための具体的な対策

原因を理解したら、次は実践です。
ここでは、日常的にできる手軽な方法から、リフォームを伴う本格的な断熱改善まで紹介します。

1. 畳の下に断熱材やマットを入れる

既存の畳を一度上げ、下に断熱材を敷き込むことで、足元の冷えを劇的に改善できます。
市販の発泡ボードやコルクマットでも効果があり、畳を戻すだけで施工完了です。
断熱材の種類ごとの特徴は以下の通りです。

断熱材の種類 特徴 費用目安(㎡)
発泡スチロールボード 軽くて施工が簡単 約1,000〜1,500円
コルクマット 自然素材で吸湿性もある 約2,000円前後
グラスウールシート 高断熱だが施工にやや手間 約1,500円前後

DIYでもできる方法ですが、畳の上げ下ろしに慣れていない場合は、専門業者に依頼するのが安心です。

2. 窓や障子の断熱を強化する

単板ガラスの窓には、断熱フィルムや二重サッシ(内窓)を取り付けると効果的です。
内窓を設置すると空気の層ができ、外気の影響を大幅に軽減できます。
障子の内側にアクリル板をはめる「断熱障子」も人気です。外観を損なわず、見た目はそのままで性能をアップできます。
また、障子紙を断熱性のある「プラシート障子紙」に張り替えるだけでも、保温効果が高まります。

3. 壁や天井の断熱リフォーム

家全体の断熱を高めるなら、壁や天井の断熱リフォームが必要です。
断熱材を入れ替えることで、外気温の影響をほとんど受けない“保温する家”に変えることができます。
特に、築30年以上の住宅では、当時の断熱基準が現代より低く設定されていたため、壁の中に断熱材がほとんど入っていないこともあります。
施工後は暖房効率が上がり、年間の光熱費削減にもつながります。

4. 隙間風対策と気密性アップ

隙間テープを貼る、気密パッキンを取り付ける、障子・襖を調整するなど、細部の施工を積み重ねることが和室の快適性を大きく変えます。
家全体の気密性が上がると、外気が侵入しにくくなり、部屋の温度ムラもなくなります。

特に、風の通り道になりやすい玄関や廊下との境界部分には、間仕切りカーテンやパネルを設置すると効果的です。

まとめ:原因を知れば、和室の寒さは解消できる

和室の寒さは、素材や構造に起因する“避けられないもの”と思われがちですが、原因を正しく理解すれば必ず改善できます。
床下からの冷気・窓や障子の断熱不足・家全体の気密性。
これらのポイントを順番に対策すれば、古い和室でも見違えるほど快適になります。
弊社では、畳の下の断熱施工や、内窓設置、障子の断熱リフォームなど、和室特有の構造に合わせた最適な工法をご提案しています。
「昔ながらの和室を残したいけれど、寒さに困っている」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
伝統の趣をそのままに、“あたたかくて居心地の良い和室”を実現します。

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