マンションで壁際でフローリングが床鳴り？原因と対処法と業者の選び方まで徹底解説

夜、静まり返ったマンションのリビングで「ギシッ」と鳴る音。
最初は気のせいだと思っていたのに、歩くたびに同じ場所で音がするようになる
そんな経験はありませんか？
床鳴りは、放っておくと「床下の構造が歪む」「フローリングが浮く」「下地が割れる」といった深刻なトラブルに発展することがあります。
特にマンションの壁際からの床鳴りは、見た目では原因が分かりにくく、住人を悩ませる代表的な症状のひとつです。
「隣の部屋まで響いていないか心配」
「管理会社に言うべき？それとも自分で直せる？」
そんな不安を抱く方のために、この記事では壁際の床鳴りの原因・対処法・DIYと業者の違いを、誰にでもわかる言葉で詳しく解説します。

壁際の床鳴りの主な原因を知る

まずは、なぜ壁の近くで床が鳴るのかを知ることが大切です。
床鳴りには複数の要因が重なっている場合が多く、「音の出る仕組み」を理解することで、無駄な修理を防ぐことができます。

床と巾木の接触による摩擦音

最も多い原因が、床板と巾木（壁と床の境にある木の部材）が擦れ合って音を出すケースです。
歩行時に床がわずかに沈むと、巾木と床材の隙間で「ギシギシ」と音が鳴ります。
特に、湿気の多い季節や冬の乾燥期に木材が膨張・収縮を繰り返すことで、この隙間が変化し、音が目立つようになります。
新築から5〜10年ほど経ったマンションでよく見られる現象です。

下地の緩みや木材の変形

次に多いのが、下地材（合板）を固定している釘やビスが緩んでいるケースです。
長年の使用で微妙なズレが生じ、踏むたびに床下の木材が動いて摩擦音を立てます。
さらに、木材が経年劣化で反っていたり、コンクリートスラブのわずかな歪みによって下地がたわむこともあります。
この場合、見た目に異常がなくても、内部構造が少しずつずれているため、DIYでは根本的な解決が難しくなります。

床材の接着不良や施工の問題

床鳴りの原因として見逃せないのが、接着不良です。
マンションの多くは「二重床構造（浮き床）」で施工されており、床材と下地の間にわずかな空間があります。
この構造が不安定だと、歩行時に床板がわずかに上下し、そのたびに「パキッ」「ミシッ」と音が鳴るのです。
また、リフォーム後に床鳴りが起きるケースでは、接着剤の量が少ない・釘の位置がずれているなど、施工精度の問題であることも少なくありません。

その他の要因：湿度・構造変化・シロアリ

床鳴りの背景には、環境要因が影響していることもあります。

• 湿度の変化による木材の膨張・収縮：梅雨や冬場に音が変わる場合はこのパターンです。
• 建物の経年変化：マンション全体の荷重や沈み込みによって床がたわむことも。
• シロアリや腐朽：特に水回りに近い床で音が出る場合、木材内部が空洞化している可能性があります。

こうした複合的な要因が絡むと、音の発生源を特定するだけでも専門的な診断が必要になります。

DIYでできる床鳴りの一時的な対処法

軽度の床鳴りであれば、自分でできる補修方法もあります。
ただし、原因を誤ると逆に悪化させる恐れがあるため、慎重に進めましょう。

潤滑剤を注入する

床材同士や巾木との摩擦が原因の場合は、隙間にシリコンスプレーなどの潤滑剤を少量注入すると音が軽減することがあります。
ティッシュや細いノズルを使って、鳴っている箇所の隙間に数滴流し込むのがポイントです。
ただし、過剰に使用すると床表面が滑りやすくなったり、ワックスや塗装に影響を与えることもあるため、少量ずつ様子を見ながら行いましょう。

床と巾木の隙間を埋める

巾木を一度取り外し、床との間にできた隙間にコーキング材や隙間パッキンを詰める方法も有効です。
この処置で、床の沈み込みによる摩擦音を防止できます。
DIYが苦手な方でも、ホームセンターで材料を揃えれば比較的簡単に実施できますが、仕上げが雑だと見た目に影響が出るため注意が必要です。

ラグやカーペットを敷く

一時的な音の軽減策として、床鳴り箇所にラグや防音カーペットを敷く方法もあります。
これは音を吸収してくれるだけでなく、歩行時の衝撃も和らげてくれるため、集合住宅での騒音対策にもなります。
ただし、根本的な解決ではないため、長期的には原因箇所の修理が必要です。

DIYでは対応できないケースと業者に依頼すべき理由

次のような状況では、DIYでは対応しきれません。
誤った施工で床を傷める前に、専門業者に相談するのが最も確実です。

床暖房が入っている場合

床暖房付きのマンションでは、床材の下に電熱線や温水管が通っています。
そのため、安易に穴を開けたり、釘を打ったりすると故障や漏水のリスクがあります。
専用の赤外線カメラなどで床内部を確認しながら作業できるのは、専門業者ならではの強みです。

二重床構造の場合

マンションでよく採用されている「二重床構造（フリーフロア）」は、空間の下に支持脚や防振ゴムを設けた構造です。
この脚部が緩んだり、ゴムが劣化していると、表面からは原因を確認できません。
床下に潜るか、専用工具で床を部分的に持ち上げる必要があり、素人には難易度が高い作業です。

シロアリ被害や劣化が疑われる場合

床の沈み込みが大きい・踏むと空洞音がする場合は、木材が内部から弱っている可能性があります。
このようなケースでは、被害範囲を正確に調査し、床下の構造体ごと補修する必要があります。
表面だけを直しても、再発や沈下のリスクが残ります。

壁際の床鳴りを放置するとどうなる？

床鳴りは「音だけの問題」と思われがちですが、放置すると次のようなリスクがあります。

• 床下の構造材が変形し、リフォーム費用が高額化
• 騒音トラブル（特に下階や隣室への影響）
• 湿気によるカビ・腐朽の進行
• 床の沈み込みや段差の発生

こうした被害は時間とともに進行するため、早めの診断と対処が重要です。

業者に依頼する場合の流れと費用目安

専門業者に依頼すると、次のような流れで施工が行われます。

1. 現地調査（音の位置・構造・床下確認）
2. 原因の特定（下地の緩み・接着不良など）
3. 最適な補修プランの提案
4. 施工（補修材注入・釘固定・部分張り替えなど）
5. 仕上げ・確認

費用は以下が目安です。

作業内容	費用相場	備考
軽微な補修（潤滑剤・釘調整）	約10,000〜20,000円	1〜2時間程度
下地補修・部分張替え	約30,000〜80,000円	原因特定を含む
床暖房・二重床構造の修理	約50,000〜150,000円	高度な施工が必要

まとめ：小さな音こそ早めの相談を

マンションの壁際で床鳴りが起こるのは、建物の“疲労のサイン”です。
放置すればするほど、下地や構造体のダメージが広がり、修理費用が膨らみます。
最初に「ギシッ」と感じたときが、一番の直しどきです。
DIYで試せることはありますが、床暖房や二重床が関係している場合は、専門知識のある業者に相談するのが安全です。
弊社では、マンションの構造や床材の特性を見極めたうえで、再発しない床鳴り補修を行っています。
騒音や見た目に配慮した施工を行うため、居住中でも安心してご依頼いただけます。
「この音、気のせいかな？」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。
あなたの住まいの静けさと快適さを、私たちが取り戻します。