窓サッシ交換リフォームの費用相場と工法の違い|失敗しないための選び方とポイント
「冬になると窓際がスースーして寒い」「結露でカビが増える」「開閉が重くてストレス」
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
実はその原因、窓ガラスではなく“サッシ(窓枠)”にあることが多いのです。
経年劣化したサッシは、わずかな歪みでも気密性を下げ、室内の暖かい空気を逃がしてしまいます。
さらに隙間風や音漏れ、虫の侵入の原因にもなるため、サッシの交換は「快適さ」と「省エネ性能」を取り戻すための重要なリフォームです。
しかし、いざ交換を考えると「いくらかかるの?」「どんな方法があるの?」と不安になりますよね。
この記事では、窓サッシ交換リフォームの費用相場・工法の種類・コストを抑えるコツをわかりやすく解説します。
読後には、自宅の窓にどんなリフォームが合っているのか、具体的にイメージできるようになります。
窓サッシ交換リフォームの費用相場と概要
窓サッシ交換の費用は、工法や素材、窓の大きさによって大きく異なります。
一般的な相場は1窓あたり数万円から50万円以上。
「カバー工法」と「はつり工法」という2つの施工方法があり、どちらを選ぶかで費用も工期も変わります。
| 工法 | 費用相場 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| カバー工法 | 約8万円〜15万円(戸建て)/5万円〜10万円(既存アルミサッシ上から交換) | 既存枠を残して新しいサッシをかぶせる。短工期・低コスト | 壁を壊さずに断熱性能を上げたい場合 |
| はつり工法 | 約20万円〜30万円(壁カット工法)/12万円〜20万円(全撤去) | 古いサッシをすべて撤去して新設。仕上がりがきれい | 窓サイズ変更やフルリフォーム時 |
一見すると「はつり工法」は高く見えますが、劣化がひどい場合や開口部を広げたい場合には最適な方法です。
一方で、既存の外壁を壊さず短期間で仕上げたい場合は「カバー工法」が人気です。
カバー工法の特徴とメリット
カバー工法は、既存のサッシ枠をそのまま残し、その上から新しい枠を被せる施工方法です。
外壁を壊さないため、工期が短く、費用も抑えられるのが最大の魅力です。
施工の流れはシンプルで、1窓あたり半日〜1日で完了するケースがほとんど。
リフォーム中も部屋を閉め切る必要がなく、住みながら施工できるのも安心です。
【カバー工法の主なメリット】
- 外壁を壊さないため工事費用を削減できる
- 工期が短く、1日で完了する場合もある
- 断熱性・防音性が大幅に向上する
- マンションや集合住宅でも施工しやすい
ただし、既存枠の内側に新しい枠を取り付けるため、開口部が数センチ小さくなるというデメリットがあります。
見た目の変化はほとんどありませんが、採光量がわずかに減る点は知っておくと安心です。
はつり工法の特徴とメリット
はつり工法は、古いサッシ枠を完全に撤去し、外壁を一部カットして新しいサッシを取り付ける方法です。
施工範囲が広くなるため、費用は高め(約20〜30万円)ですが、仕上がりの自由度が高く、デザイン性を重視する方に向いています。
【はつり工法の主なメリット】
- 古いサッシの劣化を完全にリセットできる
- 窓のサイズや位置を自由に変えられる
- 断熱・気密性能が新品同様に回復する
開口部を広げて採光を増やしたい場合や、外壁リフォームを同時に行う場合には最適です。
ただし、外壁補修が伴うため工期は3〜5日ほどかかります。
費用が変動する主な要因
窓サッシ交換の費用は「工法」以外にもいくつかの要素によって変動します。
以下の4つは見積もりを大きく左右するポイントです。
1. サッシの素材
素材の違いによって、価格や性能が大きく異なります。
| サッシ素材 | 特徴 | 費用目安(1窓あたり) |
|---|---|---|
| アルミ | 軽くて安価、耐久性が高いが断熱性は低い | 約5万円〜8万円 |
| 樹脂 | 断熱・防露性能が高く結露に強い | 約8万円〜12万円 |
| アルミ樹脂複合 | 外側アルミ・内側樹脂のバランス型 | 約10万円〜15万円 |
| 木製 | 高級感がありデザイン性抜群 | 約15万円〜30万円 |
寒冷地では、断熱性に優れた「樹脂サッシ」または「アルミ樹脂複合サッシ」が主流です。
アルミ製より価格は上がりますが、暖房費削減効果を考えると長期的には経済的です。
2. 窓ガラスの種類
ガラスの性能によっても価格が大きく変わります。
単層ガラスよりも複層ガラス(ペアガラス)、さらにはLow-Eガラスになるほど断熱効果が高くなります。
| ガラスの種類 | 特徴 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 単層ガラス | 一般的で安価だが断熱性が低い | 約3万円〜6万円 |
| 複層ガラス(ペア) | 結露防止・断熱・防音性が高い | 約8万円〜12万円 |
| Low-Eガラス | 遮熱・断熱性能が最も高い | 約10万円〜15万円 |
特に夏の冷房効率を上げたい場合や、冬の寒さが厳しい地域ではLow-Eガラスが効果的です。
3. 工事の規模・外壁補修の有無
外壁を壊す範囲が広がるほど、補修費用も増えます。
カバー工法なら外壁補修はほとんど不要ですが、はつり工法では外壁仕上げ材(サイディング・モルタル)の補修費が5〜10万円かかることもあります。
4. サッシのサイズと窓の数
当然ながら、窓のサイズが大きいほど材料費と施工時間が増えます。
掃き出し窓(人が出入りできるタイプ)は腰窓の2倍程度の費用になることが多く、複数窓の交換では合計金額が跳ね上がるため、まとめて見積もりを取るのがおすすめです。
DIYでの交換は可能?注意すべきポイント
一見簡単そうに見える窓サッシ交換ですが、実際には「外壁の構造」「防水処理」「気密施工」など高度な知識が必要です。
DIYでできるのは、既存のサッシを取り外さずに内窓(二重窓)を設置する程度が現実的。
外壁を切る必要のあるはつり工法や、既存サッシを取り替える作業は、
施工ミスによる雨漏り・断熱性能の低下・建物保証の喪失につながる恐れがあります。
そのため、安全性と仕上がりを重視するなら専門業者への依頼が確実です。
費用を抑えるための3つのポイント
- カバー工法を選ぶ
外壁解体が不要のため、工期短縮と費用削減が可能。短期間でリフォームを終えたい方に最適です。 - 補助金制度を活用する
国や自治体の補助金(例:先進的窓リノベ事業・子育てエコホーム支援事業)を利用すれば、1窓あたり最大数万円の還元を受けられます。 - 複数業者の見積もりを比較する
同じカバー工法でも、業者によって工賃や施工範囲が異なります。
3社以上の見積もりを比較することで、適正価格と信頼できる施工会社が見つかります。
マンションの窓サッシ交換時の注意点
マンションでは、窓やサッシは「共用部分」にあたるケースが多く、
勝手に交換できない場合があります。
まずは管理規約を確認し、管理組合の承認を得ることが必要です。
また、見た目(外観)の統一が求められるため、カバー工法など目立たない施工方法が選ばれることが一般的です。
マンションリフォームを扱う専門業者に相談し、規約に沿った施工計画を立てましょう。
まとめ:窓サッシ交換は快適な暮らしと省エネへの投資
窓サッシ交換リフォームは、単なる見た目の改善だけでなく、家全体の快適性と光熱費を大きく左右するリフォームです。
カバー工法なら手軽に断熱性能を高められ、はつり工法なら理想の窓サイズやデザインを実現できます。
大切なのは、今の住まいの状態と目的に合った方法を選ぶこと。
弊社では、現地調査から最適な工法・素材選定・補助金申請のサポートまで一貫して対応しています。
「寒い窓際を何とかしたい」「結露を減らしたい」「窓からの騒音を抑えたい」
そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
快適で静かな住まいを、最適な窓リフォームで実現いたします。
























