キッチンの床がふわふわする原因と修理方法|プロが教える確実な直し方と費用相場
キッチンに立ったとき、「あれ?床がなんだする…」と感じたことはありませんか?
最初は気のせいかと思って放っておいたけれど、次第に沈みが大きくなり、「このまま抜けるんじゃないか」と不安になる。
実は、その**“ぶかぶか”は床下の異常サイン**です。
キッチンの床は毎日水や油、湿気にさらされる場所。
下地や接着が劣化すると、見た目はきれいでも内部では木材が傷んでいることがあります。
放置すれば、床が抜け落ちたり、シロアリが繁殖したりと、建物全体の寿命を縮める危険性もあります。
この記事では、キッチンの床がぶかぶかする原因と修理方法、費用相場、そして業者選びのポイントを、現場経験に基づいてわかりやすく解説します。
DIYで直す方法や注意点も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
キッチンの床がぶかぶかする主な原因
キッチンの床がぶかぶかする原因は、表面だけの問題ではなく、床下の構造的なトラブルにある場合がほとんどです。
代表的な原因を順に見ていきましょう。
接着剤の劣化で床材が浮く
古い住宅や長年使用しているキッチンでは、床材を固定している接着剤の劣化が原因で浮きが発生することがあります。
特に、クッションフロアやフローリングは接着剤で下地合板に貼り付けられているため、接着力が弱まると表面がたわんで“ぶかぶか”と感じます。
湿気が多い環境や、直射日光が当たる場所では接着剤の劣化が早く進みます。
見た目では分かりにくいものの、歩くたびに沈む感触や小さな膨らみがあれば、接着不良の可能性が高いです。
下地合板の剥がれ・劣化
床材の下には「下地合板」と呼ばれる板があり、その下に根太(ねだ)や大引(おおびき)といった構造材が支えています。
長年の使用や湿気の影響で、この合板が弱ると、上にある床材が沈み込むようになります。
特にキッチンは水や油が飛びやすく、床の表面が無垢材でも、内部で合板が湿気を吸って剥がれることがあります。
合板の層がはがれると空洞ができ、そこに踏み込むと「ミシッ」と音を立てて沈むような感覚が出ます。
湿気・結露による腐食
キッチン下の収納部やシンク周りでは、知らないうちに湿気がこもりやすい環境が生まれています。
排水トラップのわずかな水漏れや、冬場の結露、換気不足が重なると、床下の木材が徐々に腐り始めます。
湿気による腐食が進行すると、下地がスカスカになり、床を支える力が失われてしまいます。
放置すれば、床板が抜け落ちる危険もあり、最悪の場合、シロアリを誘引する原因にもなります。
シロアリ被害による構造材の損傷
「ぶかぶかする床」を調査すると、シロアリ被害が原因というケースも少なくありません。
シロアリは湿った木を好み、床下の根太や合板を内部から食べ進めます。見た目はきれいでも中が空洞化しているため、踏んだときに“柔らかく沈む”感覚が出ます。
この場合は床材を張り替えるだけでは意味がなく、まず駆除・防蟻処理を行ったうえで構造材の補修を行う必要があります。
キッチン床のぶかぶかを放置するとどうなるか
床のたわみを「少しだから」と放っておくと、やがて構造全体に悪影響を及ぼします。
- 床下の湿気が広がり、カビやシロアリ被害が悪化
- 家電や家具の重みで床板が割れる
- 傾きによってキッチン設備の設置に支障が出る
- 転倒やケガのリスクが高まる
特に、水回りの下地腐食は進行が早く、1年放置しただけで補修費用が数倍になることも。
「ちょっと柔らかいかも?」と思った時点で、早めに点検を依頼することが大切です。
キッチン床の修理方法と費用相場
ぶかぶかの床を修理するには、原因に合わせた方法を選ぶことが大切です。
ここでは主な3つの修理方法と、それぞれの特徴・費用を紹介します。
1. 重ね張り工法(上から新しい床を張る)
重ね張りとは、既存の床材を剥がさず、その上から新しい床材を貼る方法です。
工期が短く、費用を抑えられるため、比較的軽度なぶかぶか(接着不良や表面劣化)に向いています。
メリットは、工事が1日〜2日で完了し、廃材処分も少ない点。
ただし、床の高さが上がるため、ドアの開閉や段差に注意が必要です。
費用の目安は1㎡あたり約1万円〜1.5万円。6畳程度なら約6万〜9万円が目安となります。
表面だけの修繕で済む場合は、もっと安く抑えられることもあります。
2. 張り替え工法(床材を剥がして新しくする)
ぶかぶかが広範囲に及ぶ場合や、下地が傷んでいるときは張り替え工法が基本です。
既存の床材をすべて撤去し、新しい床材を施工するため、床の高さも元通りになります。
張り替えは下地の確認・補修が同時にできるため、再発防止につながる確実な修理方法です。
工期は2〜3日ほど。費用は床材の種類によって変わりますが、クッションフロアで約4万〜8万円、フローリングで8万〜10万円前後が目安です。
3. 下地補修・交換(構造材を修理)
床を支える根太や大引が腐っている場合は、下地材の補修や交換工事が必要です。
この工事は床を部分的に開け、腐った木材を新しい材に取り替えます。
湿気やシロアリによるダメージが進行しているケースでは、この工法が不可欠です。
費用は範囲によって大きく異なり、10万円〜30万円以上かかることもあります。
ただし、この段階でしっかり直せば、床の耐久性は新品同様に回復します。
原因が湿気・シロアリの場合は別途対策を
湿気やシロアリが原因で床がぶかぶかしている場合、単に床を直すだけでは再発します。
修理の前に、原因そのものを解決することが最も重要です。
- 排水トラップの緩みや漏水を修理
- 床下に防湿シートを施工
- シロアリ駆除・防蟻処理を実施
これらを怠ると、せっかくの新しい床も数年で再び沈んでしまいます。
業者によっては「床修理+防湿+防蟻施工」をまとめて提案できる会社もあるため、トータルで相談するのがおすすめです。
業者に依頼する際のポイント
キッチンの床修理は、見た目よりも構造知識が求められる工事です。
以下のポイントを意識して業者を選びましょう。
原因をしっかり特定してくれる業者を選ぶ
「床を張り替えましょう」だけではなく、なぜぶかぶかになったのかを現場で丁寧に説明してくれる業者は信頼できます。
床材だけを直しても、下地が腐っていれば再発するからです。
原因調査 → 修理計画 → 再発防止策まで提案してくれる業者を選びましょう。
ハウスメーカー保証の確認
新築から10年以内の住宅なら、ハウスメーカーや工務店の保証期間内かもしれません。
まずは保証内容を確認し、無料修理が受けられる可能性をチェックしましょう。
保証外でも、指定業者を通すことで費用が抑えられる場合があります。
シロアリ調査ができる業者がおすすめ
床のぶかぶかが湿気や腐食に関連している場合、シロアリ被害の確認が欠かせません。
床修理と同時に無料シロアリ点検を行う業者を選ぶと安心です。
もし被害が見つかっても、その場で駆除・防蟻工事まで依頼できるため、二度手間が防げます。
DIYで修理できるケースと注意点
軽度なぶかぶか(接着不良や表面のたわみ)なら、DIYで重ね張りを行うことも可能です。
ホームセンターで床材を購入し、上からフローリングシートやクッションフロアを貼るだけでも見た目は改善します。
ただし、以下の点に注意しましょう。
- 床の高さが上がるため、ドアの開閉ができなくなる場合がある
- 下地の腐食を放置すると、数年で再発する
- 下地の交換が必要なケースではDIYは危険
一時的な補修としては有効ですが、長く安心して使うには専門業者による点検が不可欠です。
まとめ|床のぶかぶかは“家のSOS”早めの点検が肝心
キッチンの床がぶかぶかするのは、単なる経年劣化ではなく、湿気・劣化・構造不良・シロアリなど、家の重大なトラブルのサインです。
修理は「重ね張り」「張り替え」「下地補修」など、原因に応じた方法を選ぶ必要があります。
費用の目安は以下の通りです。
| 修理方法 | 費用相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| 重ね張り | 約1㎡あたり1万〜1.5万円 | 短工期・低コストだが段差に注意 |
| 張り替え | 約4万〜10万円(6畳) | 根本から解決できる |
| 下地補修 | 約10万〜30万円以上 | 構造補強で長持ち |
「まだ大丈夫」と思っていても、床下では確実に腐食が進行しています。
私たちは、原因調査から修理・再発防止までワンストップで対応しています。
安心して立てるキッチンを取り戻すために、今の“ぶかぶか”を放置せず、早めに専門業者へご相談ください。
























