玄関の段差解消リフォームとは?スロープ・踏み台・手すり・かさ上げまで徹底解説
家の中でつまずいたり、玄関でよろけたり、そんな小さな段差が、年齢を重ねると大きな負担やケガの原因になることがあります。
特に玄関は、靴を脱いだり履いたり、荷物を持って出入りしたりと動作が多く、段差があると転倒のリスクが高まります。
「母が最近、玄関の段差を怖がって外出を控えるようになった」「車いすでの出入りを考えたい」など、家族の“暮らしのしづらさ”を感じている方も少なくないでしょう。
そんな悩みを解消できるのが「玄関の段差解消リフォーム」です。
スロープや踏み台、手すりなどを設置することで、安全でストレスのない玄関に生まれ変わります。
この記事では、具体的なリフォーム方法や費用の目安、補助金制度の活用法まで、わかりやすく解説します。
玄関の段差解消リフォームはどんなことができる?
玄関の段差を解消する方法は、実はひとつではありません。
段差の高さ、使用する人の身体状況、予算、住宅の構造によって最適な工法が異なります。
ここでは、代表的な4つの方法を紹介します。
スロープ設置で段差をなくす方法
スロープは、段差をなだらかにして自然な流れで上り下りできるリフォーム方法です。
車いすやベビーカー、歩行器の使用にも対応できるため、高齢者だけでなく幅広い世代に人気があります。
室内用スロープ(内玄関)
玄関の上がり框(あがりかまち)が10〜20cm程度の場合、室内側に小型スロープを設置できます。
既製品のミニスロープや折りたたみタイプなどもあり、簡単に設置できるのが特徴です。
また、頻繁に移動しない方には「固定型」、来客や一時的利用が多い方には「置き型」が適しています。
屋外スロープ(外玄関)
玄関ポーチやアプローチに段差がある場合は、屋外用のスロープ設置が効果的です。
コンクリートやタイルで舗装して造るため、耐久性が高く、雨や雪にも強いのが特徴です。
また、滑り止め加工を施すことで、雨天時でも安心して通行できます。
スロープ設置の費用相場
スロープ設置の費用は、素材や長さによって大きく異なります。
小規模なものなら約5万円から、大規模なものでは45万円ほどかかるケースもあります。
特に3mを超える長さになる場合は、勾配を緩やかにするために設置スペースが広くなり、費用が上がる傾向があります。
| スロープ種類 | 費用相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| 室内スロープ(ミニタイプ) | 約5万~15万円 | 小さな段差の解消に最適 |
| 屋外スロープ(タイル・コンクリート舗装) | 約20万~45万円 | 長さ・素材により費用変動あり |
| 手すり付きスロープ | 約30万~50万円 | 安全性を重視したフルセット施工 |
踏み台設置で玄関の上り下りを楽にする
段差がそれほど高くない場合や、簡単に対策したい場合には「踏み台」の設置が有効です。
上がり框の段差を2分割することで、足への負担を大幅に軽減できます。
置き型・造作型・収納付きタイプ
踏み台には大きく分けて「置き型」「造作型」「収納付きタイプ」があります。
既製品の置き型は設置が簡単で、賃貸住宅でも使えるのが魅力です。
一方、造作型は玄関の幅や段差に合わせてオーダーメイドで作るため、見た目も美しく安定感があります。
収納付きタイプは靴や傘を入れられるため、スペースを有効活用できます。
費用相場
踏み台の費用は約2万~7万円程度が目安です。
素材を天然木にするか樹脂製にするか、固定型にするかによって金額が変わります。
「とりあえずすぐ対策したい」「工事までは考えていない」という方にもおすすめです。
手すりを設置して安全性を高める
段差が残る場合や、足腰が不安な方には「手すりの設置」が欠かせません。
手を添えるだけでも、転倒リスクを大幅に減らせます。
また、踏み台やスロープと併用することで、より安全で安心な玄関になります。
手すりの種類と特徴
手すりには、壁に取り付ける「固定タイプ」と、床に据え置く「自立型タイプ」があります。
固定タイプは見た目がスッキリしており、長期的に使う方におすすめ。
一方、自立型は工事不要で、設置場所を変えたい場合にも便利です。
素材は木製・ステンレス製・樹脂被膜タイプなどがあり、滑りにくく握りやすい直径32~36mm程度のものが最適です。
費用相場
手すりの設置費用は3万~13万円程度です。
長さ・素材・設置方法によって異なりますが、特に屋外の場合は防錆性の高い素材を選ぶのがポイントです。
見た目や耐久性にもこだわりたい方は、木製と金属の組み合わせタイプも人気です。
玄関の床全体をかさ上げするリフォーム
段差が20cm以上と大きい場合は、「床のかさ上げ工事」が必要になることもあります。
玄関の土間部分やホール全体を高くして、段差そのものをなくす工法です。
工事の特徴
床全体を上げるため、スロープや踏み台よりも大がかりな工事になります。
ただし、見た目が自然で段差が完全になくなるため、車いすでの出入りや将来のバリアフリー対応にも最適です。
また、同時に床材を滑りにくい素材に変更するなど、安全性を高めることもできます。
費用相場
床のかさ上げ工事は2万~15万円程度が目安です。
施工範囲や素材によって変動しますが、構造を変えるため、信頼できるリフォーム業者への依頼が必須です。
費用を抑えて賢く段差解消するポイント
「安全にしたいけど、費用はできるだけ抑えたい」――そんな方のために、コストを抑えるポイントを紹介します。
- 部分的なリフォームを選ぶ
スロープや踏み台、手すりなど、必要な部分だけの工事に絞ることで費用を節約できます。 - 介護保険や補助金を活用する
要介護認定を受けている場合、介護保険の住宅改修費制度が利用できます。 - 複数の業者に相見積もりを依頼する
見積もりを比較すれば、適正価格で信頼できる業者を選びやすくなります。
介護保険や補助金を上手に活用する方法
段差解消リフォームは、国や自治体の補助制度を使うことで負担を軽くできます。
介護保険の住宅改修制度
介護保険を利用すれば、要介護・要支援認定を受けている方は最大20万円までの工事費が対象になります。
自己負担は原則1割(所得により2~3割)で、対象工事には「手すり設置」「段差解消」「床材変更」などが含まれます。
手続きには、ケアマネージャーや施工業者との連携が必要です。
国や自治体の補助金制度
国の「子育てエコホーム支援事業(2025年度は子育てグリーン住宅支援事業へ移行)」や、各自治体のバリアフリー改修補助なども活用できます。
対象となる条件や申請時期が異なるため、早めに確認することが大切です。
玄関段差解消リフォームの依頼手順
- リフォーム会社に相談
現地調査を依頼し、段差の高さや動線、使用目的を伝えましょう。 - プランと見積もりの確認
複数のプランを比較し、費用だけでなく使いやすさ・安全性も考慮します。 - 補助金の申請手続き
介護保険や自治体の補助金を使う場合は、着工前に申請が必要です。 - 工事の実施・完了確認
施工後は仕上がりや勾配の角度などを確認し、安全に利用できるかチェックします。
まとめ:玄関の段差解消は「安全な暮らし」への第一歩
玄関の段差を解消するリフォームは、日々の安心と自立した生活を支えるための重要な工事です。
スロープや踏み台、手すり、かさ上げなど、選択肢は豊富にありますが、何より大切なのは「家族にとって安全で使いやすい設計」であること。
弊社では、現地調査から最適な提案、補助金活用サポートまで一貫して対応しています。
ただ段差をなくすだけでなく、“暮らしの質”を高めるリフォームを提案いたします。
「転ばない玄関」「安心して外出できる暮らし」。
その第一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか。
























