マンションの共用廊下や外階段の床のシート張替え費用の相場と工事の流れとは?

マンションの共用廊下や外階段で、床のシートが浮いていたり、雨の日に滑りやすくなっていませんか。
「昔はきれいだったのに、今は黒ずんでいて見た目が悪い」「歩くとペコペコしている」
そんな状態が見られたら、それは長尺シートの“張り替えサイン”かもしれません。
長尺シートは防滑性・防水性・デザイン性に優れ、マンションの外廊下や階段などで広く使われている床材です。
しかし、どんなに高品質な素材でも、10年以上経つと劣化が進み、雨漏り・剥がれ・滑り・見た目の劣化といった問題が起き始めます。
放置すると建物の防水性能そのものを損ねる恐れがあるため、適切な時期に張り替えを行うことが大切です。
この記事では、長尺シート張り替えの工程・目安時期・劣化サイン・メリット・業者選びのコツまで、初めての方でも分かるように解説します。
マンション管理組合の方、オーナー様、そして「そろそろ張り替え時期かも」と感じている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

長尺シートとは?マンションの床に使われる理由

長尺シートとは、塩化ビニール(PVC)製のロール状床材で、防滑性や防水性に優れているのが特徴です。
マンションの外廊下・階段・共用スペースなど、雨風にさらされる場所で多く採用されています。
柔らかさと耐久性を併せ持ち、足音を吸収しやすいため、居住者の生活音対策としても優秀です。
また、デザインバリエーションも豊富で、石目調・木目調・モルタル調など、建物の印象を損なわず美しく保てます。
ただし、長尺シートは防水層の上に接着剤で施工されるため、経年劣化による接着不良やひび割れが起きやすいという側面もあります。
これが進行すると、雨水が下地に侵入し、建物の劣化を早める原因にもなるのです。

張り替えを検討すべき劣化サイン

長尺シートの寿命は一般的に12~18年が目安とされています。
しかし、設置場所の環境や施工状態によって、劣化のスピードは異なります。
以下のようなサインが出てきたら、早めの張り替えを検討するタイミングです。

  1. シートの剥がれ・浮き
    端部や角の部分が浮き始めたら、接着剤が劣化している証拠です。放置すると下地に水が入り込み、雨漏りや腐食の原因になります。
  2. 滑りやすくなった
    防滑粒子がすり減ると、特に雨天時に滑りやすくなります。居住者の転倒事故にもつながりやすい状態です。
  3. 目地の隙間や黒ずみ
    シートの継ぎ目に隙間ができたり、汚れが目立つようになったら、見た目の劣化だけでなく防水性能も低下しています。
  4. 清掃しても落ちない汚れ
    古い長尺シートは表面が硬化し、汚れを吸着しやすくなります。モップや洗剤でも落ちにくくなったら交換時期です。

これらのサインは「防水層のSOS」ともいえます。
早めに専門業者へ相談し、現地調査を依頼することが大切です。

長尺シート張り替えの工程と流れ

マンションの長尺シート張り替えは、外観を整えるだけでなく、防水層を守る重要なメンテナンス工事です。
以下の工程を一つひとつ丁寧に行うことで、耐久性と仕上がりの美しさが大きく変わります。

1. 既存シートの撤去

まずは古い長尺シートを剥がします。
接着剤がしっかり固着している場合、熱風機などを使って温めながら慎重に取り除きます。
この作業で防水層を傷つけないことが非常に重要です。
撤去後は、残った接着剤のカスや汚れを丁寧に除去します。

2. 下地処理・平滑化

次に、下地を平らに整えます。
古い接着剤跡や段差、ひび割れを補修し、勾配調整を行って水が流れやすい状態を作ります。
ここを疎かにすると、新しいシートを貼った後に“浮き”や“気泡”が発生しやすくなるため、プロの技術が求められる工程です。

3. 防水工事・プライマー塗布

防水性能を維持するために、下地にプライマー(下塗り材)を塗布します。
必要に応じてウレタン塗膜防水などを併用し、雨水の浸入を完全に防ぎます。
ここでの丁寧な施工が、長尺シートの寿命を左右します。

4. 新しい長尺シートの貼り付け

防水処理後、シートを仮敷きして位置合わせを行い、接着剤を均一に塗布して圧着します。
シートの目地はできるだけ揃えることで、見た目も美しく、施工後のメンテナンスもしやすくなります。

5. 端部のシーリング処理

最後に、シートの端や壁際、ドレン(排水口)周りをシーリング材でしっかりと防水します。
この作業によって、雨水が下地に入り込むのを防ぎ、長期的な防水効果を確保します。

張り替えを行うメリット

単なる見た目の改善だけでなく、長尺シートの張り替えにはさまざまなメリットがあります。

安全性の向上

新しい長尺シートは防滑性が高く、雨の日でも滑りにくい構造です。
高齢者や子どもがいるマンションでは、転倒事故防止に直結します。
また、滑り止め粒子の種類を選ぶことで、用途に合わせた安全設計が可能です。

防水性の回復

シートの下は防水層が守られていますが、劣化したままでは水の侵入を許してしまいます。
張り替えによって、防水性能を再び高め、建物全体の耐久性を維持できます。

騒音軽減・歩行感の改善

長尺シートは適度な弾力を持つため、足音を吸収します。
階下への生活音対策にもなり、歩いたときの感触も柔らかく快適になります。

美観の回復

汚れや色あせがなくなり、外観が明るくなります。
デザイン性の高いシートを選べば、マンション全体の印象も大きく変わります。

張り替え費用の目安と比較

項目 内容 目安費用
既存シート撤去 人工・廃材処理を含む 約1,000〜2,000円/㎡
下地処理・防水 パテ補修・プライマー塗布など 約1,500〜3,000円/㎡
長尺シート施工 材料費・接着施工含む 約4,000〜6,000円/㎡
合計 一般的な外廊下(50㎡想定) 約30〜45万円程度

※素材のグレード、防滑性能、防水仕様などにより費用は前後します。
見積もり時には、下地補修費とシーリング費が含まれているか確認することが重要です。

業者選びのポイント

長尺シートの張り替えは、防水と仕上げの技術が求められる専門工事です。
以下のポイントを押さえて信頼できる業者を選びましょう。

  1. 実績と経験
    マンションやビルなど、大規模現場での施工経験があるかどうかを確認します。過去の施工写真があると安心です。
  2. 見積もりの透明性
    「材料費」「下地補修」「シーリング」の各項目が明確に記載されているか確認しましょう。
  3. 保証とアフターサービス
    施工後に剥がれや浮きが発生した場合の対応内容を事前に確認します。保証期間が明示されている業者を選ぶのが理想です。
  4. 現地調査の丁寧さ
    現場を実際に確認し、下地の状態や勾配、水はけまで見てくれる業者は信頼できます。

まとめ|長尺シート張り替えは“防水工事”の一部と考える

マンションの長尺シート張り替えは、見た目をきれいにするだけではなく、建物を守る防水メンテナンスです。
「まだ大丈夫」と放置してしまうと、内部の防水層まで痛み、結果的に修繕費が高くつくこともあります。
定期的な点検と、劣化サインを見逃さないことが、マンションの資産価値を守る第一歩です。
弊社では、長野県内を中心に多数のマンションで長尺シート張り替え工事を行っており、
防水・下地補修・シート施工を一貫して行うことで、美観と耐久性の両立を実現しています。
「滑りやすい」「見た目が古い」「掃除しても汚れが落ちない」
そんな悩みを感じたら、まずはお気軽にご相談ください。
現地調査・お見積りは無料です。
長年の経験と確かな技術で、安心・安全・快適な共用スペースをご提供いたします。

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